第22回 組込み総合技術展(Embedded Technology 2008)出展報告
2008年12月17日
NTTエレクトロニクスは2008年11月19日から21日にかけて、パシフィコ横浜にて開催された、世界最大規模の組込み専門技術展『組込み総合技術展(ET2008)』に出展致しました。
弊社ブースでは、PCI-Expressインタフェースに対応し、PC向け機器に組み込みが容易なH.264/AVCビデオコーデックLSIを始め、超低遅延フルHDTV MPEG-2 エンコーダLSIおよびモジュールや、放送機器向けのハイ4:2:2プロファイル対応のHDTV H.264/AVCエンコーダ、デコーダLSIおよびモジュールなどの新製品のデモンストレーションを、大画面ディスプレイにて行いました。以下、展示の詳細について説明致します。
ET2008 NTTエレクトロニクスブースの様子
会期中は大変多くのお客様にお立ち寄りいただき、大盛況のうちに展示会を終えることができました。社員一同心よりお礼申し上げます。
主な出展製品
PC向けPCI-Express対応H.264/AVCビデオコーデックLSI「PINEA」
「PINEA」は、PCI-Expressインタフェースに対応し、PC向け機器に組み込みが容易なビデオコーデックLSIです。PCの負荷を軽減しながら、シングルチップで高画質な映像圧縮および再生が可能です。次世代映像圧縮技術H.264/AVCに準拠しており、MPEG-2での映像圧縮と比較して半分以下のデータサイズあるいはビットレートで高画質を実現できます。
ブースでのデモ
監視用途を想定し、弊社町田事業所からの映像と、展示会場の映像を伝送するデモンストレーションを行いました。HDTV(1ch) / SDTV(4ch)対応かつ、画像が鮮明であることから、多くのお客様に注目していただきました。
超低遅延フルHDTV MPEG-2 エンコーダLSI「MACHENC」、デコーダLSI「MACHDEC」
超低遅延フルHDTV MPEG-2 エンコーダモジュール「MACHENCモジュール」、デコーダモジュール「MACHDECモジュール」
LSI:MACHENC、MACHDEC
「MACHENC」「MACHDEC」は、HDTV映像のエンコード、デコードを可能とするMPEG-2シングルチップLSIです。低遅延が要求されるライブ映像の伝送、掛け合い(テレビ会議などの双方向映像通信)、監視カメラ、無線対応家庭用映像機器などに最適です。
モジュール:MACHENCモジュール、MACHDECモジュール
「MACHENCモジュール」「MACHDECモジュール」は、超低遅延フルHDTV MPEG-2 エンコーダLSI「MACHENC」、およびデコーダLSI「MACHDEC」を中心に、それぞれ周辺デバイス、高速メモリーを搭載したモジュールです。
ブースでのデモ
ゲーム機とワイヤレスTVの接続を想定し、実際にゲーム機を使ったデモを実施。ゲーム映像(HDTV)のエンコードからデコードまでの処理をわずか20msecと超低遅延で実現することにより、ゲームコントローラの操作性に全く違和感なく、快適にゲームを楽しめることを来場者の方にも体感していただきました。遅延が20msecということで、PCや監視系の開発者の方々に関心を寄せていただきました。
MPEG-2 to H.264/AVCシングルチップトランスコーダLSI「Matiz」
「Matiz」は、MPEG-2フォーマットのHDTVおよびSDTVのコンテンツをH.264/AVCへ変換し、映像品質を保ったまま少ないデータサイズで蓄積・送信することを可能にする、世界初のシングルチップトランスコーダLSIです。
ブースでのデモ
大画面ディスプレイを2面使用し、MPEG-2の映像とH.264/AVCに変換後の映像を並べて比較していただき、2倍の圧縮率を実現しながら、高画質を維持していることをご確認いただきました。画像データの蓄積に最適なため、ホームサーバーへの搭載を検討されるお客様から、高い関心を寄せていただきました。
H.264/AVCエンコーダLSI「SARAENC」、デコーダLSI「SARADEC」
H.264/AVCエンコーダモジュール「SC50KE」、デコーダモジュール「SC50KD」
LSI:SARAENC、SARADEC
「SARAENC」「SARADEC」は、放送市場で高い実績を誇るMPEG-2エンコーダ/デコーダLSI「VASA」の高画質を継承した新開発のH.264/AVC エンコーダ/デコーダ LSIです。H.264/AVCとMPEG-2のマルチフォーマットのクロマ4:2:2フォーマットのエンコード、デコードに対応します。
モジュール:SC50KE、SC50KD
「SC50KE」「SC50KD」は、SARAENC LSI、SARADEC LSIと高速メモリー、周辺デバイスを搭載したモジュールです。H.264/AVCとMPEG-2のHDTVに対応し、シンプルな機器構成においてプロ画質を実現可能で、SNG、FPUなどの放送用機器に最適です。
ブースでのデモ
細かい動きのある大迫力の高画質(4:2:2)映像を、「SARAENC」LSIを使って高画質(4:2:2)のままH.264/AVC(10Mbps)へエンコードし、それを「SARADEC」LSIでデコードした映像を原画と共に比較できるように、大画面モニタ2面を使用した展示を行いました。ハイエンド向けの製品にも関わらず、コーデックソリューションへの搭載を検討される多くのお客様から高い関心が寄せられました。
その他の出展製品
- フルHDTV MPEG-2 シングルチップA/VエンコーダLSI「LibraENC」
- 超コンパクト フルHDTV MPEG-2 エンコーダ/デコーダモジュール「LibraENCモジュール」
- フルHDTV MPEG-2 シングルチップA/VコーデックLSI「SuperENC V」
- 超コンパクトSDTV MPEG-2エンコーダモジュール「SDモジュール」
- フルHDTV MPEG-2シングルチップコーデックLSI/デコーダLSI「VASA」
- フルHDTV MPEG-2エンコーダモジュール/デコーダモジュール「VASAモジュール」
講演:「最新のビデオコーデック技術動向の紹介」
同展示会メインブースにおいて、画像圧縮技術(MPEG-2~H.264/AVC)を駆使した10数年にわたる商品開発をもとに、民生用電子機器メーカーおよび放送機器メーカーに採用されている弊社製品の技術について講演を行いました。
(左の写真)デジタル映像事業本部 第一製品事業部 設計部 部長 石川啓二
講演資料はこちらからダウンロードいただけます。ご興味がございましたらぜひご覧下さい。
- 最新のビデオコーデック技術の動向と製品紹介について、ET2008で行った講演資料のPDFファイルをダウンロードする(ファイルサイズ:761KB)
今回、弊社は初めて「第22回 組込み総合技術展」(Embedded Technology 2008)に出展させていただきましたが、改めて組込み技術の注目の高さを感じることができました。NTTエレクトロニクスは、今後もMPEG-2からH.264/AVCまで、また、放送機器から民生用電子機器まで対応した、幅広い製品を開発していきたいと思っております。