J.247に基づいた高速映像品質客観評価システムを製品化
~映像配信サービスのユーザ体感品質(QoE)を客観的に評価可能に~
2009年9月11日
NTTエレクトロニクス株式会社(以下 NTTエレクトロニクス)は、日本電信電話株式会社(以下 NTT)のサービスインテグレーション基盤研究所(以下 NTT研究所)が開発し、ITU-T(注1)勧告J.247として発行された、メディアレイヤ映像配信客観品質評価技術を用いたヘッドエンド向けアプリケーションソフトウェアを2009年12月に製品化します。また同月、パケットレイヤモデルを用いて映像配信サービス提供中にユーザ体感品質(QoE:Quality of Experience)を推定可能なSTB(注2) 組み込み用エージェントソフトウェアと、それに対応した映像品質監視サーバ用マネージャソフトウェアを製品化します。これら2製品により配信前から配信先までの映像品質監視が実現し、IPTVのシステム(系)におけるトータルな品質監視ソリューションの提供が可能になります。
NTT研究所の映像配信客観品質評価技術を用いたヘッドエンド向けアプリケーションソフトウェアは、コンテンツ配信前のエンコードの際のQoEを監視して、映像の品質の変化を時系列グラフで示すことができます。これにより、コンテンツのどの部分でQoEが低下しているのかを簡単に把握することが可能になり、目視で行う品質チェック時の効率および精度を向上させることができます。
STB組み込み用エージェントソフトウェアとそれに対応した映像品質監視サーバ用マネージャソフトウェアは、映像配信サービス提供中のエンドユーザのQoEの推定を可能にします。従来、映像通信サービスの品質管理には、パケット損失や遅延時間などネットワークのQoS(Quality of Service)パラメータを測定・監視する手法が広く利用されてきました。しかし、ネットワークのQoSパラメータのみの評価では、QoEを正しく評価することができません。今回製品化する、STB組み込み用エージェントソフトウェア、映像品質監視サーバ用マネージャソフトウェアによって、QoEが低下しているユーザをリアルタイムに把握することが可能になり、問題の迅速な切り分け・対処を行うことができるようになります。
NTTエレクトロニクスでは今後もさらなる研究および製品開発を継続して行い、映像配信サービスのCS(顧客満足度)の向上に貢献して参ります。今回の製品はSDTVに対応していますが、HDTVに対応するJ.247の次期規格の標準化に合わせて、HDTVに対応した製品を来年度に発売する予定です。
また、2009年9月11日から15日にかけてオランダ、アムステルダムにて開催される欧州最大の放送機器展「IBC 2009」に、品質評価ソフトウェアを搭載したサーバとSTBを参考出展致します(NTTエレクトロニクス ブースNo.1.D35)。サーバによるデモでは、配信前コンテンツの品質チェックを行います。STBによるデモでは、コンテンツをSTBへ配信する際に意図的にパケット損失を起こしてQoSを低下させ、それを受信したSTBからの情報でQoEを推定する動作を、実際に配信映像を見ながらご確認いただけます。ぜひご来場ください。
本記事に関する補足情報
販売価格
オープン価格
発売時期
2009年12月発売開始予定