NTTエレクトロニクス マルチデバイス向け映像配信規格普及に向けてMPEG-DASHプロモーターズ・グループに参加
2012年6月14日
NTTエレクトロニクス株式会社(以下NTTエレクトロニクス)は、スマートフォンやタブレット端末など多様な機器に向けたマルチメディアコンテンツのストリーミングに適した最新規格 MPEG‐DASH(Dynamic Adaptive Streaming over HTTP)の普及を目的に設立された国際団体「MPEG-DASHプロモーターズ・グループ」に加入しました。
2011年11月にMPEGで承認されISO標準(ISO/IEC 23009-1)となったMPEG-DASHは、帯域適応型のストリーミング配信が可能な映像配信規格です。ネットワーク環境に応じて映像品質を動的に切り替えることが可能なため、広帯域から3Gネットワークに至るまで、あらゆる環境下で多様なデバイスに安定した品質で映像配信を行えるのが特徴です。また、HTTPベースのストリーミング技術のため、従来のHTTPサーバやネットワーク環境に適応することが容易です。
MPEG-DASHは、巻き戻し・早送りなどのトリックモード、3D伝送、多言語字幕や複数オーディオ・トラックの挿入、および広告の挿入など、従来のHTTPベースのストリーミング機構にはなかった多くの新機能をサポートしており、新たなストリーミング技術の世界標準として大いに期待されています。
NTTエレクトロニクスは、高性能・高機能メディア・トランスコーダ「HVX500シリーズ」において、広く普及した従来のHTTPベースのストリーミング方式に加え、新たにMPEG-DASHの対応を予定しています。ベンダーに依存しない方式で、さまざまなスマートデバイスに向けたストリーミング配信を実現するMPEG-DASHの実装を通じ、MPEG-DASHの日本国内での普及に努めてゆきます。
なお、NTTエレクトロニクスは6月13日から開催されているINTEROP TOKYO(ブース番号: 6B21)に、同展示会のアワードノミネーション・ファイナリストに選考された「HVX500シリーズ」と共にMPEG-DASH関連技術を展示します。
MPEG-DASHプロモーターズ・グループのロゴ
本記事に関する補足情報
用語の説明
【MPEG-DASHプロモーターズ・グループ(DASH-PG)】
市場でのMPEG-DASH規格の採用を促進するために多数の事業者や組織で構成された国際的業界団体です。DASH-PGは、インターネット上でのマルチメディア配信のためのこのオープンな国際規格が普及することで、コンテンツ編集ツール、サーバー、CDNとエンドデバイス間の相互互換性が促進され、最終的には市場の成長とエンドユーザー利益の増進を図る目的で設立されました。(http://dashpg.com/)
ABS
適応型ビットレートストリーミング(adaptive bitrate streaming)の略。端末のバッファ、CPUの使用状況などにあわせ、プレイヤー側で参照する映像を適応的に切り替えて受信する機構です。
HVX500シリーズ
一つの入力映像ソースを、iPhone、iPad、Androidベースのスマートフォン・タブレット端末、Windows PC、および汎用のSTBに至るまで、多岐にわたる再生機器のそれぞれに最適なビデオ・プロファイルにリアルタイムに変換し、スムーズかつストレスのない映像配信を実現するアプライアンス型トランスコーダです。“HVX500 Live”、“HVX500 Server”、および“HVX500管理システム”の3種類の製品ラインナップから構成されます。