NTTエレクトロニクス、衛星Carrier-ID伝送テストに合格
~衛星通信で義務化される発信局特定にいち早く対応~
2012年11月6日
NTTエレクトロニクス株式会社(以下NTTエレクトロニクス)はこのほど、EBUをはじめとした放送事業者や衛星通信事業者の主催で行なわれた大規模な衛星によるCarrier-ID伝送テストに参加し、合格いたしました。
Carrier-ID規格とはSNGなどの衛星アップリンクの際、発信局情報やエンコーダの固有情報を含んで伝送するもので、衛星アップリンクの発信局を特定できるようにしたものです。現在、世界の衛星伝送においては、故意な衛星アップリンク波により正規運用局への支障を与えるケースがあとを絶たないことから、イギリスに本部を置く “sIRG”が中心となり、Carrier-IDが規格化され、放送事業者の国際団体であるWBU-ISOGでも承認されています。このような中、依然として妨害局の問題は後を絶たないことから、Intelsat社やEutelsat社、SES社などの衛星通信事業者や放送事業者からは、全世界での実施期限である2015年1月1日を待たずして、エンコーダ装置やモジュレータ装置へのCarrier-IDの前倒し実装が求められておりました。
ロンドン五輪という重要な衛星伝送が行われる前の本年7月、放送事業、衛星通信、VSATに関係する四つの国際業界団体(WBU-ISOG、RFI-EUI、GVF、sIRG)主催により、世界初となる実際の衛星使用による合計2,000時間以上におよぶ大規模なCarrier-ID伝送テストが行われ、即座に衛星発局が識別できるかの確認実験が行われました。
NTTエレクトロニクスは、世界の主要伝送において高い実績を誇るHDTV/SDTVエンコーダ「HVE9100S」をCarrier-IDに対応させてこのテストに参加し、合格いたしました。
NTTエレクトロニクスのデジタル映像事業本部 本部長、笠原久嗣のコメント:
「当社はこれからもいち早くグローバルなお客様のニーズに対応し、先進の技術を生かした高品質な映像を世界中の視聴者に向けてお届けできるよう努力していきたいと考えています。」
なお、NTTエレクトロニクスは11月14日から幕張メッセにて開催されるInter BEE 2012 (ブース番号: 6401)に出展いたします。
本記事に関する補足情報
用語の説明
【SNG】
Satellite News Gathering
【sIRG】
Satellite Interference Reduction Group
【WBU-ISOG】
the World Broadcasting Union - Interational Satellite Operations Grooup
【RFI-EUI】
RF Interference-End Users Initiative
【GVF】
Global VSAT Forum
sIRGのExecutive Director コールマン氏がInter BEE 2012で講演 (無料講演)
Carrier IDを推進するsIRGのコールマン氏が、Carrier IDの歴史、ロンドン五輪前に行なわれたテストと今後の動向についてお話しします。日英同時通訳付きの無料講演です。ぜひご来場ください。
これからの衛星伝送運用とCarrier ID
衛星伝送において他局による不用意な衛星アップリンク波により運用に支障を与えるケースがあとを絶たないことから、2015年までの衛星アップリンク波へのID付加により発信元を特定できるようにCarrier IDが規格されました。Carrier IDを推進するsIRGのコールマン氏がCarrier IDの歴史、ロンドン五輪前に行なわれたテストと今後の動向についてお話しします。
マーティン コールマン氏
sIRG Executive Director
日時:11月16日(金)10時30分-11時30分
場所:国際会議場2階 国際会議室