HEVCソフトウェアエンコードエンジンを搭載した
高性能・高機能メディアトランスコーダHVX750の発売について
2014年11月13日

NTTエレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:萩本 和男、本社:神奈川県横浜市、以下 NTTエレクトロニクス)と、NTTアドバンステクノロジ株式会社(代表取締役社長:花澤 隆、本社:神奈川県川崎市幸区、以下 NTT-AT)は、HEVC(H.265)( ※ 1 )符号化ソフトウェアエンコードエンジンを用いた「高性能・高機能メディアトランスコーダHVX750」を2社共同で開発いたしました。本製品は2015年1月よりNTTエレクトロニクスから発売を開始いたします。

映像配信のニーズが急速に高まりつつある中、ネットワークにおける映像トラフィックの軽減はサービス事業者や通信事業者にとっての大きな課題となっています。高効率な符号化方式であるHEVCはH.264の約2倍の圧縮効率を実現出来るため、導入に大きな期待が寄せられています。NTTエレクトロニクスはこのニーズにお応えするため、NTT-ATのHEVC符号化ソフトウェアエンジンを搭載し、今後映像配信サービスへの採用が見込まれているMPEG-DASH( ※ 2 )出力に対応したリアルタイムエンコーダ/トランスコーダである HVX750を新たに開発しました。NTT-ATは、今回のHVX750の開発に当たり、これまでのソフトウェアエンコーダの開発によって蓄積されたノウハウを活用し、高画質化設定、高速化設定などそれぞれの用途に応じたパラメータの最適化を実現しました。
来る2014年11月19日(水)から21日(金)にかけて幕張メッセで開催される国内最大の放送機器展「Inter BEE 2014」のNTTグループブース(ブース番号:ホール5の5405)において、今回開発したHVX750を展示いたします。

製品写真「HVX750」
高性能・高機能メディアトランスコーダ「HVX750」外観

高性能・高機能メディアトランスコーダHVX750について

NTTエレクトロニクスの高性能・高機能メディアトランスコーダHVX750は、複数の入力映像ソースを、TVやスマートフォン、タブレット端末など多様な機器に向けた各種ストリーミングフォーマットに変換するHVX500シリーズのフラグシップモデルです。

今回、NTTメディアインテリジェンス研究所が開発したHEVC符号化ソフトウェアを商品化したNTT-ATの『HEVCソフトウェアコーデック開発キット(HEVC-1000 SDK)』をHVX750のプラットフォームに合わせて設定を最適化して搭載することにより、フルHD HEVCリアルタイムエンコード/トランスコード、および4K HEVCオフライントランスコードの機能を実現いたしました。HVX750は、スマートフォンやタブレット端末に向けた比較的解像度の低い映像から、4Kなどの高解像度の映像まで対応するために、様々な映像フォーマットに対応できるエンコードエンジンを搭載し、それぞれの解像度に最適なパラメータ設定が可能です。

HVX750の特徴

  • 高機能メディアトランスコーダ『HVX500シリーズ』のハイキャパシティーモデル
  • 1UサイズでフルHD H.264最大7チャンネルのリアルタイムエンコード/トランスコードが可能な高パフォーマンス化を実現
  • 次世代動画圧縮技術「HEVC」へのアップグレードが可能なFuture-Proofソリューション(1080@30p Live、4K@60p VOD)
  • 各種ストリーミングフォーマット(HLS、RTMP、Smooth Streaming)に加え、国際標準規格「MPEG-DASH」に対応
  • 国内TV向けARIB( ※ 3 )フォーマットとマルチデバイス向けアダプティブストリーミングフォーマットの同時出力をサポート

HEVCソフトウェアコーデック開発キット(HEVC-1000 SDK)の特徴

  • NTTメディアインテリジェンス研究所が開発した局所Qp変動処理と呼ばれる符号化制御技術を用いることで高画質・高圧縮を実現
  • HEVCのRange Extensionsをいち早く採用し、4:2:2カラーフォーマット、10, 12ビットの高ビット深度にも対応
  • 長年の映像CODECの研究開発で培った独自の符号量制御技術により、映像の特性が変動しても、高画質を維持しつつユーザが指定した一定のビットレートによる安定した符号化が可能

今後の予定

今後もNTTエレクトロニクスとNTT-ATは連携し、HEVCにおける更なる高画質化、低レート化、並びに高速化を目指し、国内における高品質な映像配信ビジネスを牽引して参ります。


用語解説

※1
HEVC(H.265)
High Efficiency Video Coding、H.265 ( ISO/IEC 23008-2 ) で2013 年に国際標準化規格に規定された映像符号化方式です。
※2
MPEG-DASH
2011年11月にMPEGで承認された国際標準規格(ISO/IEC 23009-1)で、HTTP ベースの帯域適応型のストリーミング配信が可能な映像配信規格です。
※3
ARIB
Association of Radio Industries and Business、通信・放送分野における電波利用に関する調査、研究、開発、コンサルティング等を行っている団体で、標準規格の策定も行っています。

NTTアドバンステクノロジについて

NTTアドバンステクノロジは、NTTグループの技術的中核企業として、NTT研究所のネットワーク技術、メディア処理技術、日本語処理技術、環境技術、ナノ部品技術などの多彩な先端技術のみならず、国内国外の先端技術を広く取り入れ、これらを融合してお客様にとっての価値に変換して提供しています。
詳細はウェブサイトをご参照ください。

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