NTTエレクトロニクスが100Gクライアントインターフェース用超小型高感度
アバランシェ型受信サブモジュール(APD型ROSA)を開発
~CFP2 / 4トランシーバで40kmに迫る伝送を可能に~
2014年3月10日
NTTエレクトロニクス株式会社(以下NEL)は、100Gb/sクライアントインターフェース用の次世代小型プラガブル光トランシーバ ※1 の構成部品として、CFP2-MSAおよびCFP4-MSA ※2 トランシーバに搭載可能な25G×4チャンネル集積アバランシェ型小型受信サブモジュール(APD型ROSA)を開発しました。本製品の採用によりトランシーバの小型・低消費電力化が実現し、通信装置へのトランシーバ収納数が増加することによって、より大容量のデータ通信に対応できるようになると期待されます。
今日、イーサネット標準 ※3 に対応する100Gb/sプラガブル光トランシーバとしては、CFP ※2 と呼ばれるサイズのものが一般的であり、オンラインでの動画視聴の普及や巨大なウェブアプリケーションの増加などによりデータ容量が急増するデータセンタ内およびセンタ間の接続用に利用されています。特に40kmを超える伝送では、100GBASE-LR4と呼ばれる10km伝送の規格で利用されている光トランシーバの送信側の出力パワーを増加させるとともに、受信側に半導体光増幅器(SOA)を用いて、伝送後の受信パワーを増幅して受信する構成が採用されています。
現在のCFPトランシーバは一つのスロットに最大二つしか搭載できないことから、一つの装置に収納できるトランシーバの数を増してポート数を増加させるため、次世代のプラガブル光トランシーバには小型・低消費電力化が求められています。このような要求に対して、NELでは四つの25Gb/sの受信器と分波フィルタを一つのモジュールに収めた4チャンネル集積小型ROSAを開発しました。フォトダイオードとしてPIN型を用いた10km伝送用のPIN型ROSAと、アンプ機能を有するアバランシェPD(APD)を用いた10km超の伝送が可能なAPD型ROSAの二つのタイプがあり、パッケージサイズは双方とも同一であり、次世代のCFP2トランシーバのみならず、次々世代のCFP4トランシーバまで搭載可能はサイズとなっています。
APD型ROSAは、イーサネット標準として規定された40km伝送の仕様を一部満足しないものの、SOAを利用することなくCFP2 / 4の小型トランシーバで40kmに迫る伝送が可能です。小型・省電力化という点で、一つの手段となり得ることから、世界中のトランシーバメーカからAPD型ROSAに大きな期待が寄せられています。
現在、ITU-Tでは、SOAを用いた構成では光トランシーバの小型・低消費電力化が困難であることから、APD型ROSAをベースとした基準を新規に作成しようという提案が議論されております。
NELではITU-Tでの標準化と連携すると共に、2014年夏頃の製品販売を計画しています。
なお、本製品は2014年3月11日(火)から3月13日(木)にかけて米国・サンフランシスコで開催される、「Optical Fiber Communication Conference and Exposition 2014(OFC 2014)」のNTTエレクトロニクスブース(ブース番号1913)に展示します。
100G APD型 ROSA
本記事に関する補足情報
用語の説明
- ※1
- 【プラガブル光トランシーバ】
ルータやスイッチ、光伝送装置などにおいて、差し換え可能なトランシーバポート向けに提供される光トランシーバ・ソリューション。複数ベンダが外形寸法などを共通化して製品供給する業界合意MSA(Multi Source Agreement)として規格化されるのが特徴。10Gb/sでは、第三世代のXFPや、さらに小型のSFP+として、イーサネット標準である短距離(~100m)、近距離(~10/40km)に加えて、業界デファクト製品により中距離(~ 80km)もカバーされています。 - ※2
- 【CFP-MSA】
100Gb/s伝送用の光トランシーバとして、業界合意MSA(Multi Source Agreement)として規格化されたもの。第1世代のCFP(幅82mm×長さ145mm×高さ13.6mm)、第2世代のCFP2(幅41.5mm×長さ106mm×高さ12.4mm)、第3世代のCFP4(幅21.7mm×長さ88mm×高さ9.5mm)が規定されています。 - ※3
- 【イーサネット標準】
国際標準 IEEE802.3 イーサネット規格。主な仕様として、100Gb/sでは100GBASE-SR10/LR4/ER4の3種類が標準化されています。SRはマルチモード光ファイバを用いる短距離(~100/300m)向け、LRとERはシングルモード光ファイバを用いる近距離(~10/40km)向けの規格です。
<本件に関するお問い合わせ先>
NTTエレクトロニクス株式会社
営業本部 光通信デバイス営業ユニット
E-mail:op-info-jp@ntt-el.com