NTTエレクトロニクス社、業界初の16nm 100G/200G超低電力コヒーレントDSPを発表
- 100Gbpsあたり10Ｗ以下の超低消費電力化で1Tbps超級の光トランスポンダ・ブレードが可能に -
2016年3月22日

OFC 2016, 米国 アナハイム　- 2016年3月21日 -

NTTエレクトロニクス株式会社（以下NEL）は、100Gb/s QPSK 長距離および200Gb/s 16QAMメトロ光リンクに適用可能な、超低消費電力デジタルコヒーレント信号処理回路（DSP）の新製品ExaSPEED™ 200 を発表しました。業界をリードする高性能200G DSPコア^（※１）と低電力100G DSP コア^（※２）に、ビジネス提携^（※３）しているBroadcom社（NASDAQ：AVGO）の最先端16nm CMOS Fin-FETアナログ・デジタル混載技術を組み合わせました。従来の20nm低電力製品*2と比べても消費電力を半減、100Gあたり僅か10Wで高性能デジタルコヒーレント変復調処理を実現します。
また、新製品ExaSPEED™ 200 は、階段符号（Staircase Code）を用いて訂正能力を強化した誤り訂正符号（EFEC）も集積化しました。業界標準である同符号を内蔵することで、数百kmにおよぶメトロ光リンクにおいてもオープンなネットワーク環境を提供し、機能ごとに光通信機器を分割するディスアグリゲーションに貢献します。大手のサービスプロバイダは、ダイナミックに光ネットワークを管理・計画・監視・最適化して抜本的なコスト削減を図るため、SDNのコンセプトに基づくフレキシブルな光ネットワーク基盤を志向しています。NELは、コヒーレントDSPの革新により、フレキシブルで、ソフトウェアによって設定可能な、複数のベンダから調達が可能で、機能ごとに分割され、たとえ異ベンダ間であっても対向接続できる光通信「ホワイト・ボックス」実現に貢献します。

メトロ光リンクにおけるオープンな対向接続性に加えて、新製品ExaSPEED™ 200 は、「ホワイト・ボックス」として期待される光トランスポンダ・ブレードの開発を加速するツールキット Blade Design Suite™を一緒に提供します。光通信性能を確認できるシミュレータや、回路図や高周波レイアウトを参照できるリファレンスデザイン基板、さらにはブレード制御ソフトウェアにそのまま組み込めるライブラリ（SDK: Software Development Kit）などです。SDKに含まれるAuto Calibration ライブラリを使えば、CFP2-ACO光トランシーバモジュール毎に異なるDSPとの接続調整も簡単になります。“Keysight N4391A 光モジュレーションアナライザ（OMA）は、お客様のカスタムDSPアルゴリズムでも性能検証が可能です。”と同社ディジタル＆フォトニック計測部門のシニア・マーケティング・ディレクタであるヨアキム・ピーリング氏は述べています。“NELのExaSPEED™ DSPアルゴルズムをアップロードすることで、設計者は、100G／100G超のコヒーレント・コンポーネント／モジュール／システムのより正確かつ現実的な検証結果を迅速に取得し、深く考察することができます。”

NELとKeysightは、OFC2016富士通オプティカルコンポーネンツ（FOC）社のブース#1221にて、ExaSPEED™ 200をアップロードしたOMAによる200G 16QAM光ファイバ伝送復調を実演します。また、NELブース #2529では、主要CFP2-ACOサプライヤ５社（Finisar社、FOC社、Lumentum社、NEC社、Oclaro社）の協力を得てExaSPEED™200 Blade Design Suite を展示します。
新製品ExaSPEED™ 200は、2016年度の第１四半期前半にサンプル出荷を開始、2016年度の後半には量産する計画です。
なお、本製品には、総務省の委託研究「超高速・低消費電力光ネットワーク技術の研究開発」ならびに「巨大データ流通を支える次世代光ネットワーク技術の研究開発」により得られた成果が用いられています。