400GコヒーレントDSPのラインナップをデータ センター インターコネクト向けに拡充
2022年9月16日

概要

• 業界標準OIF 400ZR / OpenZR+向けに消費電力を20%低減
• 多様なイーサネット信号（4x100GE / 2x200GE / 1x400GE）を柔軟に収容可能
• 複数社のQSFP-DDプラガブルトランシーバにより400G OpenZR+での1000km超の相互接続伝送を確認

ECOC 2022、バーゼル、スイス
2022年9月16日

NTTエレクトロニクス株式会社は、QSFP-DDプラガブルトランシーバ搭載用に、標準規格OIF 400ZRならびに業界規格OpenZR+ MSAをサポートするコヒーレントDSP（信号処理IC）ExaSPEED400-Rを製品リリースしました。新製品のExaSPEED400-Rは、OpenROADM MSAにも準拠する従来製品のExaSPEED400より消費電力が20%低く、400GコヒーレントDSPの適用先を拡大します。

ExaSPEED400-Rは、イーサネットのスイッチICが入出力する８対までのデータ信号（１対あたり25Gb/sの2値信号（NRZ）あるいは50Gb/sの4値信号（PAM4））に対応し、100G（1x100GE）、200G（2x100G/1x200GE）、300G(3x100GE)、ならびに400G（4x100GE/2x200GE/1x400GE）のイーサネット信号を柔軟に収容可能です。OpenZR+ MSAの共同議長でもあるNTT Electronics America, Inc. 社のAtul Srivastava氏は、次のように述べています。「ExaSPEED400-Rは、相互運用可能なコヒーレントQSFP-DDプラガブルトランシーバの低電力動作を可能にし、クラウドネットワークオペレータならびにサービスプロバイダによるアプリケーション領域の拡大を可能にする非常にエキサイティングな製品です。」

NTTエレクトロニクスは、ECOC 2022において、パートナーである富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社、Molex LLC、および日本電気株式会社の協力のもと、QSFP-DDプラガブルトランシーバを用いた400G OpenZR+での1000km超の相互接続伝送のデモンストレーション・ビデオを放映します。

富士通オプティカルコンポーネンツアメリカPresident 茂木正博氏より、次のコメントを頂いています。「NTTエレクトロニクスと富士通オプティカルコンポーネンツは、最先端の光トランシーバを市場に提供するパートナーシップをCoherent伝送の実用開始時から長年培ってきました。この度、新しくExaSPEED400-Rを用いたQSFP56-DD光トランシーバの他社間相互接続伝送を成功させることが出来、うれしく思います。低電力かつ伝送距離の拡大を実現した本光トランシーバによって、データセンタならびにサービスプロバイダのネットワークのエコシステム構築に貢献できることは非常に光栄です。」

Molexのコヒーレント技術および製品ライン管理担当ディレクターであるJoseph Chon氏は、次のように述べています。「ExaSPEED400-Rを実装したQSFP-DDプラガブルトランシーバにより、データセンタ間通信を120kmから延長することに重点を置いています。NELおよびそのトランシーバ・パートナーとの協力により相互運用可能なQSFP-DDプラガブルトランシーバ全体のビジネスチャンスが加速され、この分野における先進的な顧客の要望をサポートできることを楽しみにしています。」

日本電気(株)フォトニックデバイス開発統括部の統括部長・後藤明生氏は、次のように述べています。「我々は過去10年以上にわたって最先端のデジタルコヒーレントトランシーバの開発・生産を続けてきました。今回デジタルコヒーレント事業の拡大に向けたNTTエレクトロニクスとの協業活動の一環として、これまで培った技術を元に製品競争力のあるQSFP-DDの開発に成功いたしました。今後は更なる事業拡大に向けて製品出荷を加速してまいります。」

NTTエレクトロニクスは新製品ExaSPEED400-Rを既に量産しています。

尚、本製品は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）の助成事業「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」の成果を（一部）活用しています。

今後の予定

NTTエレクトロニクスは、今後も業界最先端のDSPラインナップを拡充し、長距離・メトロ・近距離データセンタ間のあらゆる領域でファイバ伝送容量を効率良くアップグレードする手段を提供していきます。